地域包括ケアシステムとは?高齢化社会だからこそ必要とされている背景

地域包括ケアシステムとは?高齢化社会だからこそ必要とされている背景

「地域包括ケアシステム」って聞いたことありますか?

地域包括支援センターは聞いたことありましたが、「地域包括ケアシステム」は聞いた記憶が、、、、。

知り合いのケアマネジャーに聞くと、「もちろん」と言われてしまいました、、、。

私の勉強不足です。反省、、、。

「システム」って聞くとITが苦手な私はそれだけで、「無理かも、、、、」と挫折しそうですが調べてみると「地域で高齢者を助けるための仕組み」ってことね~と理解できました。

そこで、「地域包括ケアシステム」について調べてみました。

地域包括ケアシステムとは

「地域包括ケア」とは、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分でできることは自分で行い、自立した日常生活を営むことができるように、地域でひとつになって支える体制(仕組み)のことです。

地域包括ケアシステムは「医療」「介護」「介護予防」「住まい」に分かれます。

「システム」とあるので難しく思いますが、ここで言う「システム」とは、地域を1つの社会的ネットワークと見立てそのネットワークが高齢者を支援する為に機能する仕組みなのですね~。

地域包括ケアシステムにおける「生活支援・介護予防」とは

家族、近隣住民、ボランティア、自治会、NPO法人といった関わる人の「好意」をベースに支援されるものです。

具体的には、隣に住む方が、高齢者に毎日声をかけて、「見守り」を担っていただいたり、民生委員の方が定期的に高齢者の家を訪ねて話の相手をするなどです。

このような支援はインフォーマルサポートと呼ばれます。

また、病院や介護施設等はフォーマルサービスと呼ばれ、サービス提供が安定していますが、規則に乗っ取っているため柔軟性に欠けます。

地域包括ケアシステムでは、安定して提供されるフォーマルサービスと柔軟性のあるインフォーマルサポートの両方が必要不可欠です。

地域包括ケアシステムの日常生活圏域
地域包括ケアシステムは、概ね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域を単位として想定しています。

地域包括ケアシステムは誰が運営しているの?

地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が運営しています。

地域で高齢者を支援する為、介護を受ける高齢者の住む地域の特性や習慣に沿って対応を行わなければ有効に機能しないため、地域の特性に応じて運営が進められています。

地域包括ケアシステムは、介護保険事業(支援)計画が3年おきに作られ、この計画に乗っ取って進められます。

先駆的に取り組んでいる市町村に関する詳細は下記をご覧ください。

市町村の取り組み事例

地域包括ケアシステムの基本理念

地域包括ケアシステムは、「尊厳の保持」「自立支援」が基本理念になります。

尊厳の保持とは

尊厳の保持とは、高齢者が自らの意思で決めたことを尊重するということです。

高齢者なので、自分では判断できないと決めつけて、介護者を含め周りの者が決めた方針を押し付ける形で介護が進むことは残念なことです。

もちろん要介護者の希望をすべて受け入れることは難しいですが、あくまでも介護を受ける者がどう生活を維持したいかを聞いてその考え(意思)に沿って進めることが重要なのです。

自立支援とは

自分でできることは自分で行って日常生活を営むことが「自立」です。

自分でできないことも、少し手を差し伸べてもらえると自分ではできないことができるようになります。
その支援を行うことが自立支援です。

例えば、ひとりで公園に行けない為に社会との接点を持てない人が、公園に移動できるように支えてもらえればできなかったことができるようになります。

地域包括支援センター

地域包括ケアシステムの中心的役割を担うのが「地域包括支援センター」です。

主任ケアマネジャーが在籍し、介護を受ける為の申請代理やケアプラン作成を行います。

詳細は下記をご覧ください。

地域包括支援センターとは

地域包括ケアシステムにおける主任ケアマネジャーの役割

主任ケアマネジャーは、要介護者等が「どのような生活を送りたいのか」「どんなことに不安を感じているのか」を理解し、自立支援をコーディネートします。

また、コーディネートだけではなく、要介護者等に代わり医師やホームヘルパに「不安」や「希望」を「代弁」する役割を担います。

ケアマネジャーに関する詳細は下記をご覧ください。

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは

地域ケア会議

地域ケア会議は、「地域ケア個別会議」「地域ケア推進会議」の2種類に分かれています。

地域ケア個別会議

地域包括支援センターが主催し介護時の課題を個別ケースとして検討します。

医療、介護等の専門分野の方に加え、民生委員、自治会長、NPO法人、ボランティアなどの地域の多様な関係者が参加します。

要介護者等との橋渡し役である主任ケアマネジャーは、要介護者等の様々な悩みを受けているので、解決できない場面も出てきます。
そのような場合は、解決すべき課題を多職種協働の場である地域ケア個別会議で検討することで、解決策を学ぶことができます。

また、解決策の蓄積により地域包括ケアシステムがより地域に応じた形に変化していくことが可能となります。

地域ケア推進会議

市町村が主催し、地域づくりについて検討されます。

地域に視野を広げて地域の実情におうじて必要と認められる事項を検討します。

地域包括ケアシステムが必要とされる背景

現在の日本は高齢化が進み、現役世代の介護費用負担が重くなっています。

その為、高齢者が介護を必要とする現状を少しでも「予防」し、「介護状態の軽減」もしくは、「悪化防止」に取り組む必要があります。

「予防」をし、「介護状態の軽減」もしくは、「悪化防止」に取り組むことで、高齢者が活き活きと生活を営む仕組みを目指したのが地域包括ケアシステムです。

事前予防と介護状況の軽減と介護状況の悪化防止

地域包括ケアシステムが必要だと理解する為には、日本の総人口における高齢者数や、介護が必要な方の数、そして介護費用がどう変化しているのかを知っておくことは重要です。

人口減少(少子化)

日本の人口は、2008年12月の1億2,784万人をピークに減少し続けており、2019年(平成31年)1月1日時点で1億2,632万人と、10年間減少し続けています。

日本の少子化

高齢化

現在の日本は、65歳以上の高齢者数が増えて、平均年齢が伸びています。

平均年齢は、84歳を超えており、世界で最も長生きの国となっています。

詳細は下記をご覧ください。

65歳以上の高齢者人口と平均寿命

少子高齢化で現役世代の負担は増加する

少子高齢化は、子供の数が減る「少子化」と高齢者の数と寿命が延びる「高齢化」が同時に起きている状態です。

日本の少子高齢化

少子高齢化が進むと、現役世代の社会保障負担が大きくなります。

2012年の段階では、65歳以上の高齢者1人を20~64歳までの現役世代が2.4人で支えていました。

そして、2050年には、1.2人で高齢者を支える社会構図になると予想され、2019年の令和元年に20歳になった若者が50歳になる時には日本の人口の半分近くが高齢者になってしまうかもしれません。

高齢者を負担する若者

少子高齢化による介護保険の課題

介護保険制度は、現役世代が負担する保険料と税金で保険費用をまかなっており、現役世代は保険費用の半分を負担しています。

その為、現役世代数が減ると保険料を負担する人数が減ることになります。

保険料を払う現役世代が減り、保険サービスを利用する人が増えるとどうなるでしょうか。

現役世代の保険料負担が増え、現役世代の生活負担が重くなっていきます。

事実ここ数年の介護保険料は毎年増え続けています。

介護保険料の負担金額

詳細は下記をご覧ください。

介護保険料(全国平均)
介護保険料の平均
介護保険料は、各市町村毎で決める為、介護保険料が高い地域もあれば低い地域もあります。

要介護高齢者の増加

介護が必要な方は年々増えており、この17年間で約2.46倍になっています。
今後も介護が必要な方は増え続ける予想です。

認知症高齢者の増加

2012年の65歳以上の高齢者が3,058万人で、認知症高齢者が462万人なので、6.6人に1人が認知症高齢者です。

また、2015年の場合は、6.4人に1人が認知症高齢者なので、65歳以上の高齢者の認知症の比率がジワジワと上がってきてます。

詳細は下記をご覧ください。

認知症高齢者の増加

65歳以上の高齢者数が伸びると、認知症高齢者の数字も伸びる為、65歳以上の高齢者の増加に比例して認知症高齢者が増えていくことになります。

ただし、2025年の予測だと65歳以上の高齢者の増加率が落ちているにもかかわらず、認知症高齢者の伸び率が大きくなっているので、全人口の認知症高齢者の比率が大きくなっていくことになります。

年度 65歳以上の高齢者人数
(万人)
認知症高齢者
(万人)
2012年 3,058 462
2015年 3,395 525
2012-15増加率 1.11倍 1.13倍
2025年 3,657 730
2015-25増加率 1.07倍 1.39倍

介護費用

平成22年度に介護保険として給付された介護給付費は、9.1兆円です。
もうすぐ10兆円を超えますので、相当の費用をかけて介護に取り組んでいるといえます。

今後は高齢化が進む為、介護保険の費用は2025年には、21兆円になると見込まれています。

介護費用が9倍に拡大

まとめ

「地域包括ケアシステム」は、医療だけではなく、地域全体で高齢者を助けるための仕組みです。

医療だけでは限界があることは感じていましたので、これからの日本には必要な仕組みだと思います。

日本のような急激な高齢化は世界で事例が無い為、見習うべきモデルはありませんが少なくとも地域が一つになって高齢者を支援しなければならないことは事実ですね!。