フレイルには運動が重要!注目すべきポイントは4つ

フレイルには運動が重要!注目すべきポイントは4つ

もし、あなたが「フレイルの予防には運動がよい」と知っていながら運動をしていないのなら充実した高齢期を過ごすチャンスを逃しています。

なぜなら、予防すれば介護を受けなくてよい健康な体を作ることができるからです。

どの程度介護に依存した生活になるかは、個人差はありますが、高齢になればなるほど介護が必要な生活に近づいていきます。

その時期をできるだけ遅くし、且つ介護に依存する程度を少なくすることができれば、趣味を楽しむ充実した生活を過ごすことができます。

そこで、まず初めに「なぜ運動が必要なのか?」を説明し、「運動を行う時の4つのポイントを解説いたします。

なぜ、運動が必要かを知る

多くの人は、健康の為に運動が必要だとわかっています。

では、なぜ運動が必要なのか、理解しているでしょうか。

具体的には分かっていないと思います。

何故なら、若いうちは運動をせずに筋肉が落ちたとしてもそれほど困らないからです。

しかし、高齢者の場合は違います。

どのような支障ができるのかを解説いたします。

筋力が落ちるとどうなる?

筋力が衰えると、自分でできていたことができなくなり、自立した生活に支障をきたします。

筋力が落ちる過程では、身体機能が低下します。

その結果、消費エネルギー低下→食欲低下→栄養を取らなくなるという悪循環に進みます。

その為にも、運動を行い筋力が落ちることを予防する必要があるのです。

筋力が落ちると負のサイクルに陥る

フレイル・サイクル
フレイルサイクル

フレイル・サイクルの起点は、低栄養ですが低栄養が進むと筋力が落ち続けサルコペニアになります。

サルコペニアは加齢制筋肉減少症と呼ばれ、「筋力が減少する症状」です。

サルコペニアかどうかは、「指輪っかテスト」で確認できます。

指輪っかテストでは、ふくらはぎの筋力をセルフチェックします。

サルコペニアの指輪っかテスト診断方法

サルコペニアに関する詳細は下記をご覧ください。

サルコペニアとは

なぜ、ふくらはぎのチェックを行うかと言えば、はっきりとした筋力の衰えが分かりやすく、ふくらはぎが細くなっているということは、「歩く力」が落ちている為、更なるフレイル(虚弱)になる可能性が高いと判断できるからです。

フレイル・サイクルでも、筋力が落ち、歩行速度が遅くなる症状をサイクルに含めています。

その為、「元気に歩ける生活」を維持する為にも日頃の運動が欠かせません。

運動する時の4つのポイント

4つのポイント
  • どんな運動をすべきか
  • どれだけ運動すべきか
  • 長く運動する為の呼吸法
  • 道具の選び方

どのような運動をどれだけ、行うかは体の状態により様々なので一概には決めることはできません。

しかし、フレイルの予防という観点から言えばプレフレイルの方が対象なので、年齢では60歳代です。

60歳代ですと、まだ歩くことも支障が少なく介護になっていない為ある程度体を自由に動かせる方だと思います。

そのような方を対象にした場合、どのような運動が良いかを以降で紹介いたします。

1:どんな運動をすればよい?

フレイル予防の運動には、「有酸素運動」が有効です。

下記が「有酸素運動」の説明です。

酸素を使い体内の糖質・脂質をエネルギー源とする、筋肉への負荷が比較的軽い運動。

有酸素運動は、バーベルを上げるといった短時間に筋力に大きな負荷を与える(力を入れる)のではなく、比較的弱い負荷を長く与え続ける運動です。

代表的な運動は、ウォーキングやストレッチ、スイミングです。

有酸素運動は、「血圧上昇が小さく、エネルギー消費量が大きく、かつ傷害や事故の危険性が低い」と言われています。
また、脂肪をエネルギーに使う為LDLコレステロールや中性脂肪の減少にも期待が持てます。

【お勧めの運動】
高齢者の方がフレイル予防としてまず始めるには「散歩」が良いと思います。

散歩とウォーキング

なぜなら、初めからよしやるぞ!と力んで「ウォーキング」を始めると、続かないことがあります。

その為、1~2週ぐらいは、体を慣らす為に散歩をしてから、「ウォーキング」という順番が良いです。

ウォーキングは、「散歩より少し早めに歩き、軽く汗ばんでくること」を意識します。

腕も意識的に振ることで、体全体を動かします。

更に元気な方は「ジョギング」で気持ちいのよい疲労感を目指すとよいでしょう。

2:どれだけ運動すべきか

有酸素運動が脂肪を使い始めるのは、20分以上経った当たりと言われていますので、20分以上は運動を続けましょう。

散歩とウォーキング

元気な高齢者は、「自分は元気だから大丈夫」と自分の体を過信しすぎます。

元気を出しすぎて、ケガをすると逆に家に閉じこもるキッカケになってしまいます。

重要なのは、無理をせずゆっくり長く続けることです。

また、「脈拍数から自分自身にあった適度な運動負荷を知る」ことも重要です。

自覚的運動強度(Borg指数)から見る「本人にとっての「きつさ」の感覚」

数値は、1分間当たりの脈拍数の目安(拍/分)です。

年齢 強度の感じ方
きつい~かなりきつい ややきつい 楽である
20 歳代 170 150 150
30 歳代 165 145 135
40 歳代 150 140 130
50 歳代 145 135 125
60 歳代 135 125 120

60歳代で生活習慣病を持っている方は、「きつい~かなりきつい」と感じるほどの運動は避けましょう。

「ややきつい」ぐらいの運動は下記で行くと6メッツぐらいの運動を目安にしてください。

活発な身体活動

メッツは身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位で、座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当します。

3:運動する為の呼吸法

有酸素運動は、酸素を体の中に効率的に取り込むほうが、効果的です。

その為には、リズムよく呼吸すれば、長い時間多くの酸素を体の中に取り込むことができます。

リズムよい呼吸は「鼻から、2回吸い、口で2回吐く」という方法です。

散歩とウォーキング

リズムよく呼吸をしないと呼吸が苦しくなり、長い時間ウオーキングすることができなくなります。

その為、ウォーキングをする際には、リズムよい呼吸方法が重要になります。

リズムよく「鼻から、2回吸い、口で2回吐く」という方法を試していただければ、苦しいウォーキングから、気持ちいいウォーキングになると思います。

4:道具の選び方

足の弱っている高齢者の方がウォーキングをする際には、運動に適したスニーカーを選んでいただきたいです。

理由としては、靴のクッション性等は、膝や、ふともも、ふくらはぎへの負担を軽減し、足が前に進むサポートをしてくれるからです。

散歩であれば、普段履いている靴でも良いと思いますが、ウォーキングの場合は20分以上は続けていただきたいので、是非検討してください。

フィット感の確認

フィット感を確認するポイントは4つです。

フィット感の確認ポイント
  • 甲がつつまれていること
  • かかとが浮かないこと
  • 指先のゆとり
  • 親指の関節部分が突っ張らない

甲がフィットしておらず、かかとに隙間があると足が疲れるだけではなくマメを作る原因になります。

また、高齢になると皮膚が弱くなるので、靴と足が擦れて皮膚がダメージを受けてしまいます。

そして、高齢者でも悩まれている方が多いのが外反母趾です。

親指の関節部分が自分の足に合っているのかは実際にはいて、靴の上から外反母趾のあたりを押してみてください。

強く押さなくても、違和感があるようならウォーキング中に痛みが出るかもしれません。

フレイルを予防する運動靴

蹴り出しやすいかを確認

靴を履いたら、指の関節が曲がりやすいかを確認してください。

また靴底が柔らかく反発力が高いとウォーキングしやすいです。

蹴り出し靴が元の形に戻る力が高いと前に足を出しやすくなり、ウォーキングが楽になります。

また、靴底も外側と内側で溝が分かれているものは地面に踏み込みやすく蹴りやすい構造なので、靴の裏も確認してください。

フレイルを予防する運動靴2
フレイルを予防する運動靴3

まとめ

フレイル予防には、運動が重要です。

ただし、激しい運動はNGです。

ゆっくり長い時間運動を行う有酸素運動を20分以上続けることで、効果が出ます。

また、初めは、散歩程度にとどめ徐々に運動量を増やします。

ただし、「ややきつい」ぐらいの運動でとどめてください。

フレイルは運動により予防ができる症状です。

また、運動だけではなく栄養の管理も重要です。

食事と運動のバランスをとり、より良い生活の質を上げるには、フレイルになる前段階から体の管理を行っていきましょう。